タイヨウのうた

シンガーYUIの初主演映画.


 

海辺の町に暮らす雨音薫は16歳(YUI).
彼女は学校にも行かず,陽が沈むとギターを持って駅前の広場で歌い続ける毎日.
昼間眠り,夜に活動するという普通とは正反対の生活………
薫は太陽の光にあたれない,XP(色素性乾皮症)という病気なのだ.
彼女が唯一の生きがいにしているのは,歌を歌うこと.

そんな彼女に,人生を大きく変える出来事が起こる.
午前四時,日課のライブを終えて日の出前に帰宅する薫.部屋の窓から外を眺めるとそこには,サーフボードを抱えた一人の少年・藤代孝治(塚本高史)が,今にも走り出しそうに佇んでいた………




色々あって,2人は交流するようになります.
その中での孝治くんとの夜の横浜デートは,薫ちゃんの世界が今までどれほど狭かったかを物語っています.
ギターと,たった一人の友達の美咲(通山愛里)と,両親だけの世界だった彼女には孝治くんは本当にまぶしかったのでしょう.


でも,今まで出会ったことのない人に会ったっていう経験は,実は孝治くんも一緒なんだよね.
同じく横浜デート(正確にはライブなんだけど)で,ギター1本で,そしてキレイな声で切なそうに懸命に唄う彼女の姿に,孝治くんは釘付けになるんです.
むしろ,ここで惚れてしまったというか.
ちょっと不思議な女の子に,普通の高校生が恋に落ちる瞬間が,そこにあったんです.


この映画のいい所は,薫ちゃんだけでなく,孝治くん側の気持ちも丁寧に描いているところだと思うんです.
だから,↑の歌う薫ちゃんの姿を見て恋をしてしまった孝治くんっていう情景が妃紗はとっても好き.
その後の孝治くんの「君の歌を,声をCDにしてみない?」と提案する行動にも無理がなくなります.


普通難病モノって,患者本人がヒステリックに泣き叫んだり,「死にたくない」って訴えるシーンがあったりするんだけど,この作品はそれがない.
だからって薫ちゃんは達観して諦めている訳じゃない.
大好きな人たちに囲まれたこの生活を,彼女は普通のコトであり幸せなコトだと噛み締めているんです.
その姿が切ない……


妃紗が一番泣いたシーンは,薫ちゃんが死んでしまった後のシーンなんですが,彼女のCDがラジオでかかり,それを二人ではしゃいで聴く孝治君と美咲ちゃん.そしてお店の古びたラジオで聞いた両親が何とも言えない所です.
4人がみんな,嬉しそうに寂しそうに愛しそうな表情をするのね.
薫ちゃんが死んでも明日はやってきて,自分達は生きていかなければならなくて,そんな中でふいに顔を見せた歌が大好きだった女の子……

両親も薫ちゃんに精一杯の愛情を与えている姿が切なくなるね.
妃紗の想像ですが,お父さん(岸谷五朗)は昔は会社勤めだったんだけど,娘が発病したことで会社を辞めてイタリアンのお店(自営業)を始めたんじゃないでしょうか.娘に何かあっても,すぐに動けるように……
お母さん(麻木久仁子)も薫ちゃんが起きて来てから食事の時間にしたり,車の窓という窓全てに紫外線遮断のフィルムを貼っているサマからも,
娘中心の生活であることがわかります.

そして親友の美咲ちゃん.
彼女自身も「高校なんか行く価値ないよ」って半不登校児.薫ちゃんが起きている時間にフラっと現れては,恋の相談に乗ったりお菓子を食べたりと薫ちゃんを必死でフォローしている姿が健気ともいえます.


孝治くん,両親,親友の薫ちゃんへの惜しみない愛情が本当に過不足なく描かれています.
オススメです^-^


映画の主題歌の『Good-bye days』もすごくステキです!!
最近エンドレスリピート(笑)

できれば 悲しい 想いなんてしたくない
でもやってくるでしょ?
そのとき 笑顔で Yeah hello! My friend なんてさ
言えたならいいのに…

ここのフレーズが大好き♪

Good-bye days

Good-bye days