アキハバラ@DEEP

 

世界の電脳中心地<アキハバラ>――
 そこは,最新AV機器から胡散臭いジャンク商品までが揃う,世界最大にして最強のエレクトリック・マーケット.今では“アキバ”の名称で親しまれ,日本独自のポップカルチャーをも生み出す流行の発信地として注目を浴びている.物語はそんなアキハバラに,社会からドロップアウトした5人の若者が“ある出来事”をきっかけに偶然出会うところから始まる.
彼らは,自分たちの人生に再チャレンジするべく小さいながらもベンチャー企業を設立.IT業界を騒然とさせる革命的な検索エンジン“クルーク”を開発するが,彼らの前に巨大IT企業の悪の影が忍び寄る….
金と権力がすべての理不尽な社会に,彼らは全てを投げ打つ覚悟で仲間とともに人生初の大勝負に出る!

主人公ページ役の成宮寛貴くんの,内気なオタクが想像以上に良くてそれに感心しました.見てくれの完成度は,昨年公開された『電車男』の山田孝之や,同じくテレビドラマ版『電車男』の伊藤敦史の方が上ですが,それ以上の,もう一歩踏み込んだ勇気を出して,一生懸命生きようとする姿に,そしてそんなページを受け入れてくれる仲間を見て,周りの人たちがどれほど自分に力を与えてくれるかが妃紗自身にもわかって,じんわりとしてしまった☆

テーマがとても重たくて,ただのオタク映画,アキバ映画ではなく,今の社会の真実をえぐり出し,歪みを露呈している作品だと思う.幼い頃からいじめや虐待を受けてきた者達が,大人になっても恵まれることはなく自らを『下級階層』と名乗り暮らしていく.そしてそんな彼らをその昔虐げてきたヤツらが,ヒドイことをやってきたヤツらが,今カリスマを気取って社会の頂点に統べろうとしている.

そんなコトが,日本の裏の世界をデフォルメされて描かれた,実はすごく鋭い映画だと思います.
原作も,読んでないんだけど読んでみたいです.

想像していた以上にいい映画だったので(ストーリー的にも画的にも),ダレが監督なんだろうと思ったんですが,妃紗の好きな『大停電の夜に』の監督だったんですね.まったく違うジャンルだったのでびっくりしたんだけど,自分の感性に合った監督さんってやっぱりいるんだなぁと妙に納得した妃紗でした.

電車男 スタンダード・エディション [DVD]

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アキハバラ@DEEP (文春文庫)

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