チェケラッチョ!!

     

妃紗の最近のお気に入り,『青春モノ』です☆☆

音楽にゆかりの深い沖縄の地を舞台に,平凡で漠然とした将来しか描けない冴えない高校生たちが,あるライブでラップに出会い,情熱的に生きることの素晴らしさを学ぶ青春ストーリー.


主人公・透を演じた市原隼人は色が白くて透明感があって,すごくいい役者さんですよね(^-^)演技を見たことがあったのが岩井俊二の『リリィ・シュシュのすべて』,あとは『黄泉がえり』くらいかな.久しぶりに彼を見ましたが,これからも注目していきたいわぁ.
透に密かに焦がれる空手娘・唯を演じる井上真央も,気の強いおてんば娘を好演.
NANA』で,奈々に捨てられるのを覚悟で浮気に走るという損な役・章司を演じ,今回は沖縄の地から東大を目指す優等生・哲雄を繊細に演じた平岡祐太,そしてお調子者の暁役の柄本佑など,パワフルな見所がいっぱいです.
その他KONISHIKIやカレッジセールの二人,陣内孝則玉山鉄二など見逃せない俳優陣(笑)


ストーリーはありがちな内容で至ってシンプルですが,ちょっとラップにはまっていく,つまり電光石火に稲妻が走る場面っていうのが弱いんですよねぇ〜….
普通にライブ行って,ライブが終わったらバンドの真似事して「yo!yo!」って(笑)
何か,ライブの中でワンクッション,「これが引き金!!!」っていうモノがないとこちらとしては乗りきれないまま,物語が進んでしまうんです.登場人物が若いだけにごまかされているけど,一番大事なところはちゃんと描きましょう.
―高校最後の夏休みの全てを捧げても惜しくない経験―
それって,結構大きなきっかけがないと得られないと思わない??

あとは,「友情」,「家族の絆」,「意地っ張りな乙女の恋」,「高嶺の花への恋」,「娘を嫁に出す親の気持ち」,「大人であるが故の恋の終わり」,「将来への不安」などなどエッセンスが多すぎます.
どれか省いてもいいでしょう.あんまりにもテーマが拡散しすぎて中途半端な気がします.どれも深く描いたように見受けられますけど,それはどのテーマもありきたりなところに着陸していて,新鮮さはなかったですね.


沖縄という風土が全てを物語るという大前提があるのかもしれませんけど,それだったらキャラクター達にもっと
「ここで生まれて死んでいくんだ」とか、
「うちの家は…」とか『沖縄』であることをアピールした方がよかったかも.方言だけじゃ若い役者が多かったのでちと説明不足でしたかな^-^;

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